皆既月食の写真、撮ってみたくないですか??
この記事を先に見ておけば大きな失敗は防げると思います。
撮影初心者向けに書いて要点だけは抑えているつもりですが、ある程度の専門用語は出てくると思います。
最後まで見ていただけますと幸いであります。
皆既月食🌔
写真を撮りたいーーー!!
って方、多いと思います♫
前回ココの記事で「月食は肉眼で見ろ!」と言ったものの、やっぱり画像として撮っておきたい気持ちはわかります。私も撮ります(笑)
皆既月食は比較的長い時間見れます。
慌てずゆっくり自身のペースで楽しめればと思ってます✨
近年、撮影機材の性能が上がっており昔ほど難しくはありません。
しかし、イキナリぶっつけ本番で撮れるほど簡単でないです笑
月の高さが低くく夜の早い時間だとまだ飛行機が飛んでいます。
運が良ければ、今年も上の様な皆既月食中の月と飛行機を同時に撮れる可能性もありますよ✨
2021年5月に見れる皆既月食は、夜の早い時間で比較的低い位置で起きます。
前回、2014年10月8日の皆既月食も今回と同じ時間帯で見れました。
季節は5月と10月で違いますが、月の高さ・明るさはある程度参考になると思います。
という訳で、2014年の実際に撮ったデータを元に説明します。
必須な機材
まず、カメラ(笑)
これがないと始まりません。
スマホのカメラでも条件が出せれば撮れますが、難易度高いです。
スマホに限らず、あとで説明する数値に近付けられる機種が必要です。
・シャッター速度、絞り、ISO感度が自由に変えられる機種
これは、スマホでもクリアできると思います。
・焦点距離は300mm以上あると便利
焦点距離は数値が大きいほど望遠になります。
スマホを含め、多くのカメラがここで挫折すると思います。
望遠が無くても雰囲気のある写真は撮れますので、挑戦してみて下さい!
後述しますが、皆既月食中はシャッター速度が遅くなります。
よって、
三脚も必須です!!
*シャッター速度やレンズの焦点距離によっては不要な場合もあります。
あれば便利なモノ
本当は天体望遠鏡があると無敵なんですが、今回は無視します(笑)
望遠レンズで月を大きく撮ろうと思えば思うほど気を付ること・・・
ズバりブレ対策!!
自身のブレは三脚などで対応できるんですが、大きく写そうとすると日周運動の影響をモロに受けます。
ご存知と通り、月って時間の経過とともに動きます。位置を変えます。
三脚は値段がピンキリで、あえてオススメを出しませんが相場を知りたい方は「ココのリンク」から見てみて下さい。(Amazonの三脚一覧が開きます)
今後、星の写真も撮りたいなー♫って思う方は、上の画像のポータブル赤道儀があると便利。
赤道儀とは、月(星)の日周運動に沿って追尾する装置になります。
要は、月(星)をカメラが自動で追っかけてくれます✨
私が所有しているのはコレ。一番安価なポータブル赤道儀です。
余談ですが、ポータブル赤道儀って
タイムラプス撮影などにも使えます♬
上記に書いたモノ、別に無くても大丈夫ですが確実に撮りたい方はあると便利です♪
(ブレ対策につては、あとの方に少し書いてます・・・)
カメラの設定、重要な「3項目」
ほとんどのカメラで全自動にて撮影するのは不可能です。
一眼レフもコンパクトカメラもスマホもマニュアル(手動)にて項目を設定します。
もう知ってるワイ!!って方は、次へスキッ~プ♪♬
普段 写真を取る時って、カメラの設定値を意識する方って少ないと思います。
最低限必要な設定箇所のみ、ココで少し簡単に説明します。
シャッター速度
シャッターは、もうそのままですよね。
あの「カシャッ!」って音がするアレwです♪♪
スマホや安価なカメラのシャッターは、電気的にシャッターを切って電子音でシャッター音を鳴らします。
通常「カメラ」と言われるモノは機械的なシャッターが付いています。
<シャッターが閉じてる状態>
<シャッターが開いてる状態>
このシャッターの開閉を高速で行うことにより、レンズからの光を映像センサへ届けます。
このシャッターが開いている時に被写体(今回は月)が動くと、俗に言う「ブレ写真」となります(笑)
運動会を望遠レンズで撮って、ブレ写真を量産する原因と同じ(笑)
絞り
レンズの中には、人の瞳孔と同じく絞りがあります。
光を通る量はこの絞りで調整。
一般的には「F」というので表しています。
「F」の値が小さいほど明るく写せます。
今回は皆既月食の記事なので、絞りの詳しい説明や役割の説明はスキップ。
暗いと開く→数字を小さくする
明るいと絞る→数字を大きくする
今回は、これだけ覚えておけば大丈夫。
「画質」や「ボケ」など、絞りの重要な説明は今回スルー(笑)
ISO感度
下の画像は昔写真を撮る時に使ってたフィルムです♪
「100」「400」とか書いてる数字が感度になります。
写真がデジタル化して一番恩恵を受けているのが感度設定。
電気的に光を受ける反応の量をコントロールできます。
下の画像のように任意で数字を設定できます。
赤くなった(影に隠れた)月って暗いので、ISO感度を結構上げます。
- 暗い月をブレずに撮るには早いシャッター速度が必要
- シャッター速度が早いと暗く写る
- 暗く写るのでISO感度を上げる
感度を上げる理由はこんな感じ。
でも、ISO感度を上げすぎるとノイズが乗りやすく画質が落ちます。
(ノイズが乗る理由は割愛…)
フィルム時代の好感度フィルと同じ様にザラザラした感じの写真になります。
「ブレた写真」と「ザラザラしたした写真」
どちらが良いか天秤にかける事になるでしょう!
ISO感度の上限や画質はカメラの機種によって違います。
事前にテストしておくことをオススメします。
写真データ公開
いよいよ写真データの公開です。(ノートリミング)
今まで書いてた事が理解できてれば大丈夫と思います✨
今回の公開画像は自動追尾装置は使っていません。
なので、感度を上げてシャッター速度は早めになっていますので注意してデータを見て下さい。
この欠けた状態からスタート(笑)
撮影データ的に、お昼の暗めの室内と同じイメージの設定です。
ここからISO感度を一気に上げてます。
影の部分が「赤茶」に見えますが、肉眼ではここまで見えません。
上部の光っている部分が真っ白になっています。
肉眼でイメージはこんな感じかな・・・
これは暗く写しすぎた悪い例(笑)
上の状態から数分経過。
そろそろ皆既月食の状態です。
シャッター速度が、かなり遅くなってきました。
焦らしてすみません(笑)
まだまだです。
目視ではこんな感じに見えると思います。
ここで、感度を一気に上げてますので、シャッター速度が上がってます。
いよいよ皆既状態に入ります。
まだシャッター速度が遅くなりますので、ブレ対策を入念に。
ここの状態でブレてると、赤くなった月の撮影は不可能です。
上の部分の白く光ってる箇所が少なくなり、ほぼ皆既状態に入りました。
ここまでくると、皆既状態です。
赤くなった月の周りに明るい星✨が見えてくると思います。
暗く写る場合は、シャッター速度を落とします。それでブレる場合は、レンズの焦点距離を短くします。
レンズの焦点距離を落としました。
シャッター速度を少し上げて撮影。
実際の見た感じは環境によりますが、こんなんだと思います。
上と同じ条件で、レンズの焦点距離を落としています。
ここでもわかる通り、焦点距離を変えても大きさが変化するだけで、写真の明るさに変化ない事がわかります♪
今回最長の1秒間露光。
ここまでシャッター速度を落とすと、周囲の星まで一緒に写し込めます✨✨
皆既状態の月食もそろそろ終了。
この時の月食の皆既状態は30分近く続いてました。
たまたま撮れた1枚。
月の高さが低いと、こんな感じで飛行機が映り込む可能性も上がります。
だんだん左側から明るくなってきます。
ここまでくると、通常の設定(昼間の室内)で撮ることができます。
どうでしたか?
最初の欠けた状態の写真から最後の写真だけみても2時間ぐらい。
飽くぐらい時間はありますので、慌てなくても大丈夫ですよ✨
露出について
ここで言う「露出」は、写真を撮らない方には聞き慣れない専門用語。
ザックリ説明すると、「光をカメラに取り込む量」のこと。
シャッター速度、レンズの絞り、ISO感度で調整します。
自分で撮影条件を書いてて思ったのですが、ISO感度20,000っていう反則的な設定で撮ってます💦
ここまで上がんねーよ!!って方、居るかと思います。
多くのカメラのISO感度上限(許容画質も含めて)である「6400」を目安に考えてみます。
今回、皆既状態の適正露出が・・・
シャッター速度:1/10秒 絞りF5.6 ISO感度:20000
とします。
ISO感度の段数は、(段数の説明も今回はスキップw)
100、200、400、800、1600、3200、6400、12800、25600…
と1段上げると2倍の数字になります。
ISO感度を、20000から6400に落とすのを簡単に考えると、
半分の半分、約2段落とすことになります。
ここからが写真の基礎。
同じ露出で、ある項目を2段落としたら、他の項目を2段上げないといけません。
1段上げると1段落とす。
今回、絞りはこれ以上開けられませんのでシャッター速度を落とす事になります。
ISO感度を2段落としたら、シャッター速度を2段上げると同等の露出となります。
シャッター速度の段数は・・・
1/4000、1/2000、1/1000、1/500、1/250、1/125、1/60、1/30、1/15、1/8、1/4、0.5、1、2、4、8、15、30…
となりますので、
1/10秒の、半分の半分は「1/2.5秒」になります♪
あとは、近い値をカメラに設定するだけ。
シャッター速度を落とすと気になるのが手ブレや月が動く被写体ブレ。
とにかくブレ対策が必要。
日周運動による月が動くことによるブレは、シャッター速度とレンズの焦点距離に依存します。
シャッター速度を落としてブレる場合は、レンズの焦点距離を短くして対応します。
月が小さく写りますが、あきらめましょう(笑)
あと多いのが、シャッターを切る時に発生する手ブレ。
これは専用の「レリーズ」ってモノを使えば解決出来るのですが、今回は「手元にあるモノ」で解決します。
スマホを始め、多くのカメラに搭載されてるセルフタイマーがおすすめ♪
そしてカメラが動かない工夫をする事。
三脚が無ければ、そこら辺に置いて固定しても大丈夫!
おわりに
撮影データの時間を見てわかる通り、結構時間に余裕があります。
2021年の皆既月食は皆既時間が比較的短いので少しだけ注意が必要。
今回公開する画像で使用しているレンズは
焦点距離:120-300mm F2.8 +2倍テレコンバータを使用。
よって、240-600mm F5.6 のレンズとなっています。
一部焦点距離を変化させていますが、焦点距離による明るさの変化は無いことに気付くと思います。
それは、明るさを月に合わせているから♪
多くのカメラは、空の暗い部分を「暗い」と判断して明るくしようとします。
その結果、月が明るく写り過ぎてしまいます💦
という訳で、条件さえ設定できれば望遠レンズでなくても赤い月を写すことは可能。
満月になる前の数日間、月を見つけてテストをしてみましょう!!
失敗しても大丈夫!
数年後にまた見れます✨✨
その時にリベンジしましょう♪
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